これも躊躇していたタイトル。もの凄くいいじゃないですか!
細野晴臣トリビュートで『恋は桃色』を耳にしてはいたが、『気球にのって』『David』といったセルフカバーも結構やっていて、これが素晴らしい。レイ・ハラカミのアレンジによる矢野顕子のアルバムといった趣だが、得意技の転がる音が矢野顕子のボーカルとこんなにマッチするとは。ワンパターンではあれ、小技も含めて非常にかっこいい。時折矢野顕子のピアノも混ざるのがまたいい。
レイ・ハラカミ自身のアルバムはインストなので途中で飽きがくるが、yanokamiではそうはいかない。個性の強いボーカルを包む音はパートナーを自在に替えてきたこれまでの歴史上に単に位置付けるだけではもったいないくらいの完成度を誇る。
原曲を知っていると、バックトラックのコードの選び方がいかに異常かがよく分かる。要するに意表を突いてるんだな。この人は裏方で本領を発揮する人なんじゃないだろうか。ある意味perfumeにも近いものがあると思う。