プリンス『Rave Un2 The Joy Fantastic』

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99年リリースのこのアルバムはワーナーと手を切った前作『Emancipation』(3枚組!)に続いて出された復活作で、一度レンタルで借りて聴いてはいた。音がやたらとでかいのと、70分もある収録時間にひいてしまって余り聴かずにいたが、キリンジ堀込高樹が『The Greatest Romance Ever Sold』をインターネットラジオのKI KI KIRINJIでかけていて、ああ久しぶりに聴きたいなあ、と思ってはいたところに400円で発見!安いなあ、いくら帯なしとはいえ。ほとんど原価じゃないですか。

とにかく復活作よろしくポップで、佳曲揃い。これはいいアルバムですよ。過小評価されてるんじゃないかなあ。大体プリンスの場合は多作過ぎていい曲も埋もれてしまう傾向にあるので、こうして地道に発掘していくしかない。シェリル・クロウも参加した『Baby Knows』なんかも元気でいい曲だが、他にもアニー・ディフランコチャックDといったゲストも多彩で、一見豪華。でもゲストの存在感は薄くて、むしろプリンス自身の充実ぶりが光る内容となっている。

インタビュー嫌いのプリンスが当時は積極的に色々と発言していたようで、ワーナーからの解放感が影響しているのかもしれないが、直前に離婚や生後間もない子供の死といった悲劇もあったようだ。音からはそんな雰囲気は感じられないが。いずれにせよ埋もれさすにはもったいない内容で、70分という時間には辟易するものの、分けて聴くにはいいだろう。長時間通勤にはいいかもね。ほんとに2枚組くらいのボリュームですよ。シークレット・トラックもあるし。(そういえば最近めっきり見かけませんが。)『Pretty Man』でのメイシオ・パーカーも当然カッコいい。