高橋幸宏『THE DEAREST FOOL』

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おっと、ここで復活してるじゃないか。

『世界中がI Love You』が聴きたくて手にした99年リリースの作品ですが、位置づけ的にはこの後ビートニクスの3rd、スケッチ・ショウの結成、YMOの復活と続いていく出発点となっているアルバムであり、テクノ回帰路線の作品となっています。

ほぼ全編コラボレーション作品となっていて、ビートニクス名義以外にも砂原良徳高野寛、スティーヴ・ジャンセン、とまるでここ最近の活動を予見するかのようなゲスト陣。あらゆる意味で21世紀への布石が打たれています。まだエレクトロニカの波は押し寄せていないので音は少し古いですし、砂原良徳との曲も電気グルーヴ直後みたいな質感ですが、それでもここが再出発の地点だと思うと感慨深い。

しかし『Re Up』というのは髪の毛のことを言ってるのかな。だとしたら甚だ失礼で鈴木慶一らしいですね。いずれにしろ復活前夜の趣のあるいい作品でした。