スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ドビュッシー、サティ、ラヴェル編第1回

今回から坂本龍一の大好きなフランスの作曲家たちのシリーズ。曲を聴いているとまるで最近の坂本龍一の曲のような響きが聴こえてくる。ドビュッシーガムランに影響を受けたというのは知らなかったが、ワークショップ等の音を聴いていて連想したのはやはりザッパだった。ということで非常に好きなアルバム『Burnt Weeny Sandwich』を聴きながらこれを書いています。

ベートーヴェンを建築に例えてドビュッシーを雲に例える比較をしていて、かつワークショップにガムランを導入するという新鮮さ。ガムランは大好きで、かつて友人と一緒にバリに旅行もしたことがある。カッコよかったなあ。生演奏は当然だが、向こうでは日常的に演奏会があって、毎晩見れたりするんですよね。

驚いたのはその構造で、まずリズムがない。冒頭の演奏に合わせて楽器がそれぞれ適当にテンポを合わせていくという何とも現代的な形態。かつ楽器によってはある音を奏でるとその響きが他の楽器に波及してその別楽器の響きを想定するなんていう離れ業をシステムに組み込んでいるという恐ろしい構造。こいつは凄い。あの独特の残響音は想定されていたのか。波のように伝わる残響音を包含して全体に取り込むなんざ通常の音楽ではあり得ない。その辺にドビュッシーもびっくりしたんだろうとのこと。パリの万博でガムランの楽団が渡仏したんですね。

でもって通低音から波及する音階を旋律に配置して展開していくドビュッシーの音楽を聴くとこれがまた現代的。その後見たラヴェルの曲もスペインやジャズの音階を利用して何とも特殊な交響曲を奏でている。そこに民族音楽の影響があったなんて。勉強になるなあ。

坂本龍一といえば『ジムノペティ』だが、今回はサティに関する言及はなかった。今後のお楽しみといったところかな。