ムーンライダーズ『Ciao! E.P.』

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この土日はレコード・ストア・デイでしたが、そこでの目玉商品としてライダーズのピクチャーレコードが発売されました。一番の魅力は『Ciao !』発売時に限定発売されたアナログ盤にのみ収録されていた『Ciao ! 組曲』が聴けることです。いやあ入手できてよかった。ピクチャーレコードなんて立花ハジメの『太陽さん』以来じゃないかな。なかなかターンテーブルを回る姿は壮観ですね。

で、組曲ですが、元々『Ciao !』用に集まってきた大量の曲の内本編に収録されなかったものをオムニバス形式でまとめたものです。内容は鈴木慶一のインタビューで想像していましたが、確かにこちらの方が重苦しくなくていい感じですね。短い曲の連続はまるでトッド・ラングレンの『魔法使いは真実のスター』のようですが、もう少し曲が落ち着いている感じです。それにしても活動後期は多作でしたね。この辺を曲にしなかったのは勿体ないなあ。

思えば活動休止後も『Ciao !』はよく聴いていて、なかなかに名盤なんじゃないかと密かに感じているんですが、一番はこの辺の勢いですよね。ライブ活動が活発化したので楽曲にも張りがあって非常にいいバランスだったと思います。こうして短めな新曲群を聴くと一度聴いただけではなかなか曲が体に入ってこなくて、一瞬XTCの新譜を聴いた時のような感覚を覚えます。ライダーズも80年代はこうした一度聴いただけでは分からない、ジワジワ効いてくるアルバムを多発してましたが、この組曲も要素が多くてそんな感覚が蘇ってきます。一体何曲分のオムニバスなのか。

ライダーズの場合、まだまだ未発表曲は眠ってそうな雰囲気ですね。何といっても35年の活動歴ですから、『Damn ! Moonriders』時のお蔵入り曲集以外にも結構まとめると出てきそうです。ああ、最後は『カメラ=万年筆』の『大都会交響楽』同様のエンドレスループですか。それでアナログにこだわるのかな。しかしこうしたノイズで終わるというのもなんか凄いな。