ムーンライダーズ『HAPPY/BLUE '95』

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ライダーズはシングルのカップリング曲をアルバムに入れないことが多くて、このシングルでも『ぼくはタンポポを愛す』がそれにあたります。この1曲のみのために購入しましたが、当時『ムーンライダーズの夜』の頃のライダーズには多少興味を失いかけていた時期でもあり、ずっと聴けずにいました。このアルバムは今聴いても重い印象で、あまりお気に入りではありませんが、何だかんだ言って『HAPPY/BLUE '95』はそこそこいい曲だと思えるようになりました。

ムーンライダーズの夜』は元々ポップなものを作ろうとして始めたら重くなってしまった、といった発言があったように記憶しています。実際オウム事件阪神大震災があった年ですので、時代も重いし世紀の変り目でもあった訳ですが、この後の20周年記念アルバム『Bizarre Music For You』が傑作ですので、そこに至る過程と捉えれば今となっては冷静に聴き返すことができます。その上でカップリング曲がどうか。

印象としてはライダーズらしい「曖昧な曲」という感想です。捉えどころがなくて理解するのに時間がかかる。ライダーズは常にそうした傾向があるんですが、特にこの時期は難解な時期でもあるので左程の違和感はありません。作詞鈴木博文、作曲岡田徹ですので基本は鉄板なはずなんですが、その割にはポップさが足りない。但し最近の鈴木博文のライブ盤にもこの曲は収録されていたので、意外と思い入れがある曲なのかもしれません。なかなか難しいなあ。

とはいえ聴けてよかった。またミッシングリンクを埋めてしまいました。