鈴木博文『bonyari bonyari』

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03年リリースの11作目。鈴木博文のソロはあらかた揃えましたが、このアルバムは買い逃していました。何と『くれない埠頭』のセルフカバーが入っていて、これが味があります。朴訥とした味わいに変わっていて別の曲のようでした。

全般的には宅録風の曲が多くて、いつもの鈴木博文ソロという感触です。時期的には『ダイア・モロンズ・トリビューン』と『P.W Babies Paperback』の間ということでゼロ年代の脂の乗った時期に突入する少し前、といった位置づけ。非常に個人的な時期ですね。『ダイア・モロンズ・トリビューン』は混沌としてましたんで。

しかしこの人も一貫してテイストが変わらない人ですが、時期によってバンドサウンドに回帰したりする局面もあったり、ライダーズへの提供曲はやたらにいい曲だったりと突如として振れ幅が大きくなることもあります。でもこのアルバムはいつもの鈴木博文。いつもそこにいる。意外と多作なのは詩人だからでしょうか。

『馬鹿どもの夜』は青山陽一らとのジャムセッションのような趣の曲です。それ以上でも以下でもない鈴木博文が佇んでいるアルバムでした。