映画音楽の3回目。今回は「ライト・モチーフ」という手法が紹介されました。
要するに登場人物へのテーマ音楽ですが、本編でも触れられていたようにスター・ウォーズのダースベイダーに象徴的に使われるテーマ音楽のような手法です。これが元はオペラから来ている、という起源にまず驚きました。確かに音楽で物語を語る原形ですから、手法論が映画に展開されていくのは自然ですよね。でもこんな話は普通は知りません。映画は映画として独立して存在しているかのように扱われますが、要素は多方面から引用されて作られている。そこにはきちんと歴史があるんですね。
登場人物のテーマはその人物が画面にいなくても成り立つ、というのは凄い話で、そうすると映像に音楽をつけるという固定観念が裏返ってしまいます。いなくてもその人物を想像させるなんていうのは音楽先行の映像の作り方で、そんなこともできるのか、と驚いてしまいました。使い方次第で様々な演出が可能で、それによって物語は強制的に想像力をコントロールできる。
プロレスや野球等のスポーツで各選手の入場音楽がつけられますが、あれなんかもこういった手法の引用になりますね。そうすると音楽がかかっただけで観客を盛り上げることが出来る。そのテーマだけで本人のキャラクターやこれまでの活動を想起させてしまうという計り知れない効果をもつことが音楽によって出来るということを改めて痛感しました。ほんとに情報操作ツールになり得るんだなあ。