98年リリースの砂原良徳2nd。架空の飛行場を東京の地下に建設するという妄想に基づいたコンセプトアルバムです。
まずその発想が異常なのと、クラフトワークよろしく乗り物をテーマにして世界観を構築していく手法、そしてそれを半ば本気で突き詰めていってしまうことにまったくためらいを感じていない、時代性も無視して突進する姿勢に感服しました。一体何を考えていて何をやろうとしているのか。それでどうしようとしているのか、そこに意味はないように思えるところがとってもクールです。
音楽的には冒頭の「Information of TUA」がやたらとカッコよくて、実はそこに尽きてしまうんですが、全般的にビートのぶった切り方とレトロスペクティブなメロディの組み合わせが要所要所に散りばめられていて、冗長且つ映像的、という作品に仕上がっていると思います。
砂原良徳の脳内妄想にどれだけついて行けるかが試される不思議なアルバムです。