サケロック『MUDA』

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結局昨日は台風のあおりを食ってお休み。久々にゆっくりできました。ということでサケロックに戻って2010年リリースの現在のところ最新のアルバム。これ以降は星野源のソロ活動などもあって作品が出ていません。

発売当時のミュージックマガジンを引っ張り出して見ていたら、コーネリアスの『FANTASMA』が砂原良徳のリマスターで再発された月なんですね。そこに掲載されている星野源のインタビューは自信たっぷりで、このアルバムのギター復活についてクールに語っています。音がでかいのかと思っていたら左程でもなく、『FANTASMA』同様にビートルズのリマスターの影響下にあるのかもしれません。でも前作からそうだったから特に関連性はないかな。

音楽の方はというと細野晴臣に「脱ロック」と言われたことが影響してか、自然体の鳴りで相変わらずほのぼのとした作り。やはりこのバンドはトロンボーンがメロディを奏でることがもたらす印象が大きい。自然とノスタルジアが滲み出て来てしまう。今回はドラムの音が生々しいので1stに戻ったかのような感触もありますが、端的にストイックなんだろうと思います。で、『KAGAYAKI』がどうか。

意外にもそれはスローな曲でした。これが最初にライブで演奏されてこの作品に入れることがあらかじめ決まっていた曲だったそうなので少し気にしてみましたが、意外にもセンチメンタルな曲だった。ここはちょっと哀愁を感じます。締念のようなもの。年齢を重ねて経験も重ねて少しシリアスになったかな。というよりやはり端的にストイックなんだと思います。

インストバンドというのはついついひっかかりがないと通り過ぎて行ってしまうものなので注意して聴かないとどこかへ置き去りになってしまう。サケロックは一見地味なのでそうした危険性を孕んでいるような気がします。そこが懸念点かな。