ムーンライダーズ『Live at FM TOKYO HALL 1986.6.16』disc 1

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大雪もやんで今日の雪かきのことを頭の隅で考えつつ、アーカイヴシリーズの第9弾。1枚目は初期の楽曲ですがこれが最高です。『こうもりが飛ぶ頃』『塀の上で』『大寒町』『スカンピン』と名曲揃い。本当にはちみつぱいというのはいいバンドだったんだなあと改めて思いました。『大寒町』なんて昨日今日にぴったりの曲ですが、もうノスタルジアに涙が出そう。グッとくる曲は強いですね。

1曲目の『こうもりが飛ぶ頃』は『ワースト・オブ・ムーンライダーズ』の中でも一番好きな曲で昨日の『塀の上で』と共にはちみつぱいへの扉を開いてくれた曲ですが本当に何度も聴きました。ちょっとミックスが違うんじゃないかな。『こうもりが飛ぶ頃』はコーラス、『塀の上で』はバイオリンが聴きものですが、コーラスがちょっと聴こえづらい。これは意図的なのかなあ。

MCが全部収録されているのも凄い。まさに10周年のコンサートをまるごとパッケージしたファン泣かせの素晴らしい商品。価格は高いですが充分に元の取れる作品であると断言しましょう。もう前半4曲でお腹一杯なのでこの後は惰性でもいいくらいですが、何といっても3時間の代物。気合いを入れてオリンピックと共に楽しむのが筋というものです。

初期楽曲の魅力に気付くには随分時間を要しましたが、超初期の前身バンドまで遡って魅力を味わうなんざそんぞそこらの短命バンドには出来ない芸当です。活動期間が長いというのはそれだけで価値がある。色々な側面を見せながら歴史を紡いで、それが時代を照らし出し、山下達郎の揶揄する自分史と一体になっていく。それはひとつの楽しみ方であり、ポジティブであるという一点で存在可能なものであると思います。ネガティブでは駄目ですが。