フランク・ザッパ『Road Tapes Venue #2』Disc 1

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『Roxy & Elsewhere』時の未発表ライブが映像化されるという話がお金の問題でなかなか進まず、遂に音源のみのリリースがなされるという話があって非常に楽しみにしていました。その情報を辿っていくと、その直前のライブがしばらく前にリリースされていたという事実を知って探そうと思っていた矢先の再入荷。これは買わねばと手にとった次第。聴けてよかったです。

時期的にはロキシーの4ヶ月前。73年の8月、ヘルシンキでのライブとなりますが、まだナポレオン・マーフィー・ブロックもチェスター・トンプソンもいない。ということはボーカルが少なめということになります。その代わりアンダーウッド夫妻やジャン・リュック・ポンティなんかもいて、かつジョージ・デュークもいる、ということでいささかクラシカルな雰囲気が漂う器楽中心の構成。これはミッシング・リンクでした。

演奏はロキシーに比べて熱気よりもクールさが前面に出た感触を受けますが、とはいえテクニックは極上。ザッパのギターソロが出てくる瞬間はやはり鳥肌モノですが、『RDNZL』『Montana』くらいでしか今のところ味わえない。これが4ヶ月後には大爆発するんですから見逃せません。この前の時期はジャズ方面に踏み出していた『Grand Wazoo』や『Waka / Jawaka』の時代であり、そこから徐々にロックへ踏み出していく直前の萌芽期と見ることも出来ますが、いずれにしろ貴重ですね。

それにしても発掘が止まらない。何という偉大なアーティストなんでしょうか。