フランク・ザッパ『Road Tapes Venue #2』Disc 2

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ジョージ・クリントンフランク・ザッパは頭の中に象を飼っている、とは誰の発言だったか。2枚目に展開される長尺の曲群は強烈な構成欲を感じますが、何よりジャン・リュック・ポンティのバイオリンの存在感がこの時期のバンドの個性を牽引しているように感じました。

ロキシーと比較すると『Village of The Sun』『Echidna's Arf』『Don't You Ever Wash That Thing?』の3連発の構成は若干甘さも残っていますが、ソロまわしのパートがバイオリンから始まるのはやはり新鮮だし、ジョージ・デュークのエレピソロもちゃんとあって少し安心。でもドラムはやっぱりツイン・ドラムの方が掛け合いがあって迫力が違うなあ。その辺りは多少残念です。

とはいえ次が『Big Swifty』。こうして聴いてみるとザッパの70年代というのは実に細かく時期が分かれているんだなあと痛感します。バンドメンバーの入れ替わりが早いからかもしれませんが、73年だけでもこれだけ音の表現が違う。70年代前半はやはり比較的ジャズ寄りで、その後黒人グルーヴが増して中盤からメンバーが入れ替わってハードロック色が濃くなっていく。本当に聴いていてジャズ・ロックのようです。

今聴いている『Father O'Blivion』あたりになると現代音楽のようでもありますが、少なくともプログレではない。以前も書きましたが、バンド合宿で自分の車にプログレバンドのメンバーを乗せた時に、ザッパがたまたま流れていて激しく納得していたのが思い出されますが、要素は確かにある。但し、超越しちゃってるんですね。

今月末にはロキシー音源が入荷するようなので、楽しみに待ちたいと思います。