00年にリリースされたシンバルスの2nd。シンバルスはシングル主体のバンドだと思っていたので、アルバムは解散時に出たベストアルバムしか持っていませんでした。実際、活動していた頃の印象は遅れてきた渋谷系、といったものでしたが、今振り返ってみると構成がピチカート・ファイヴに似ていただけで実質は女性ボーカルによるビートバンド、といった趣です。
このアルバムも収録時間が35分と意図的にコンパクトで、矢のような勢いで各曲が通り過ぎていきます。とにかく1曲が短い。そして物凄いスピード感です。シングルとしてリリースされた「Do You Believe In Magic?」や「Highway Star, Speed Star」といった曲は当時からとてもインパクトがありましたが、今でも色褪せてはいません。
過去からの引用が前面化しているのは渋谷系の特徴ですが、ここで展開される世界もその気恥ずかしさには溢れていて、諸手をあげて賛同は出来かねるんですが、何といっても勢いが凄いし、ローリングしていく感覚には抗えない魅力がある。特殊な存在でしたが貫いたストイックな個性が時代にしっかりと痕跡を残していると思います。
