プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション『Love Symbol』

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プリンスをきちんと聴こうと思ったのは恐らく20年くらい前だと思います。近くのレンタル屋で一通りのタイトルを借りてきて、その中から気に入った曲を編集して聴いていました。このアルバムからは「7」と「The Sacrifice of Victor」を選んだような記憶があります。しかし、何故プリンスに自分は食指が動かなかったのか?恐らくはベタなものに対する一種の軽蔑があったんだと思います。

そういった意味では本作の「My Name Is Prince」というメッセージは非常にカッコ悪く映ったし、続く「Sexy MF」もセクシー・マザーファッカーって一体何だよ、と思いながらとてもくだらないもののように捉えていた。でも今はそうではありません。そうしたベタな面も含めてとてもいいと思える。

くるり岸田繁さんが本作をお気に入りに挙げていてとても意外だったんですが、理由として挙がっている多彩さは確かにあります。全18曲のタイプの違うめくるめく世界。次作の『Come』が個人的には大好きなこともあり、この時期の音には自分自身も抵抗はありませんし、収録時間の長いことを除けば充分楽しめる内容になっているとは思います。

惜しい人をなくしましたが、まだまだ今年は訃報が続いていて、遂にはレイア姫まで亡くなってしまいました。もう後残すは三日だというのに慌ただしいことです。