ニック・ロウ『ショウマンの悲劇』

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ニック・ロウの83年リリースの4作目。今回の再発で初めて聴きました。

前作が傑作だったので期待して聴きましたが、ここまで変わってしまうとは・・。非常に普通の音楽になってしまっていると思います。切れ味の鋭い演奏やアレンジが光っていた『ニック・ザ・ナイフ』と比べて、非常に落ち着いていて突出したセンスが丸く削られてしまったかのよう。どうしてここまで落ち着いてしまったのか。

前作はロックパイルの熱量もまだ残っており、当時一緒に演奏していた様々なプレイヤーが入れ替わり立ち替わり演奏に参加していました。そこでの演奏の鋭さとドライブ感、全体に漂うヒリヒリとした感覚、それらが説得力をもって聴き手に迫ってきていたのですが、本作ではそうした勢いは残念ながら感じられません。

決して悪くはないんですが、繰り返し聴きたくなる要素に欠けてしまっている。これはちょっと残念でした。期待し過ぎてしまったかな。冷静になってもう一度聴いてみようと思います。