高橋幸宏『Heart of Hurt』

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ずっと90年代の高橋幸宏を聴くのを避けてきましたが、ここへ来て非常に心地よく耳に入ってくるようになりました。これは端的に自分が歳をとったことと無関係ではないと思いますが、それ以前にポップスとしての完成度がやはり高かったんだと思います。中古でまとめて入手する機会に恵まれましたので、「心痛3部作」以降の90年代中盤から後半にかけての作品を聴いていく予定です。

本作はセルフカバーアルバムで、以前だったら絶対に手を出していないだろうアルバム。しかし今、この穏やかな音像が何とも言えず体に入って来ます。リリースは93年1月。この年はYMO再生の年でもあるんですね。『テクノドン』はいいアルバムだと思いますが、あの時点でまだ3人の緊張状態は持続されたままで、今のようなお互いを気遣える関係ではなかった。そこから出てくる良さもありますが、やっぱり温かいのが一番。

元気がもらえて平穏になる作品です。音楽に必要なのは刺激だけではない。