ビートニクス『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』disc 2

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2枚目に移ります。後半の印象は少し重かった。選曲もあると思いますが、重厚な印象を残しました。1stからの「NO WAY OUT」「Ark Diamant」そして3rdからの「Dohro Niwa」といった楽曲の骨太な演奏は、グッと重心が低くて、前半の爽やかな印象を反転させてくれます。

 

演奏はとてもいいし、ビートも太くて力強いんですが、これが「今」なのか、というと少し違うような気がします。80年代初頭の、特に81年を核としたテクノ全盛期を再現する試みは『テクノリサイタル』とそれに連なるMETAFIVEの活動で一旦はケリがついている。順番的には今は2ndのメロディ志向が時代のムードには合っているのではないでしょうか。

 

2枚目は2ndからの「ちょっとツラインダ」で始まって「Total Recall」で終わりますが、ここでの優しい音楽、寄り添うような音、サックスの軽快な響き、そんなものが実は今の雰囲気にマッチしているように思えてなりません。ここへ来て初めて90年代の高橋幸宏のアプローチが再発見されていくのではないかと。

 

そんなことをつらつらと考えさせられた良いライブ盤でした。残された時間が少ないのでどんどん作る。ビートニクスがそうやってより多くの作品を残していってくれることを期待して止みません。