リップスライム『FIVE』

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やっとリップスライムのメジャー1stアルバムを聴くことができました。しばらく前に中古屋で一度入手したんですが、中身を見ると何とアンダーワールドのベスト盤でした。びっくりしてガッカリしましたが、安く入手したので「こっちの方が高いのでは?」などと考えて返品はせず、しばらく放置していました。そんな中、いつも行くスーパーの入ったビルの2Fに出ていた中古盤で無事本作を入手した次第。

 

2001年にリリースされているんですね。90年代はスチャダラパーゼロ年代リップスライム日本語ラップを牽引したんだと思います。アンダーグラウンドでは大量の日本語ラップが出ていたんでしょうが、一般リスナーの耳に入ってくるのはやっぱりリップスライムとドラゴン・アッシュだったと思います。

 

メジャーからのリリースなので、インディの頃の音とは異なって急にグレード・アップしています。ゲストも多彩で真心ブラザーズYO-KINGの名前まで登場しますが、果たしてこれはグループ側の意志なのかどうか。ある程度プロダクション側のお膳立てもありそうです。いずれにしても4MC+1DJの音は絶好調。1stで何で『FIVE』?と一瞬思いましたが、5人だから『FIVE』なんでしょう。

 

リップスライムで1曲あげるとしたら間違いなく「マタ逢ウ日マデ」だと思います。この曲だけ音のテイストが違うなあ、と思っていたらファンタスティック・プラスティック・マシーンが参加していたんですね。知りませんでした。しかし、この曲はリリックも最高です。

 

「歌うラップ」という認知でまず耳を捕えて、聴き込むと4MCの目眩く展開とトラックメイカーの絶妙な技術に聞き惚れてしまうという何層ものマジックが仕掛けられている稀有なグループ。活動停止は誠に惜しいと思います。