Yellow Magic Orchestra『POSTYMO』

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やっと買ったYMOヨーロッパ公演のDVD。どうしても映像ものは手が伸びるのが遅くなってしまう。08年6月のロンドン公演とインタビュー、ヒホン公演を収めた2枚組。

それまでHASYMO名義だったものが、復活後初めてイエロー・マジック・オーケストラ名義で公演を行ったもので、その直後にWORLD HAPPINESSがあった。『The City of Light』と『Tokyo Town Pages』が演奏されたのはこれが初めてだった。『チベタン・ダンス』もですね。

会社の人が買って視ていて「物凄くつまらなかった」と言っていたので、どんなもんかと思って見てみたが、確かにロンドンの映像は淡々としている。まだスケッチ・ショウから抜け出せていない頃の演奏だから、確かに地味かもしれない。でもパシフィコ横浜のDVDは非常に良かったし、一体何が違うんだろうと考えていたが、やはり新鮮さと映像の演出の差なんだろうと思う。あえてこのDVDでは淡々と撮影されており、アップの映像も多い。パシフィコ横浜の方はTV用ということもあり、分かりやすくドキュメンタリーに撮られているように感じた。引きの映像に差がある。

それでも2枚目のヒホン公演では、同じ監督なのにまったく異なる印象を残す。引きの映像が一切なく、メンバーのアップが様々な角度で続くのだ。まるでライブハウスでの演奏を見ているかのよう。細野さんもサングラスにベレー帽の出立ちで非常にカッコいい。バックの映像素材ともかなり絡めた演出で、こちらの方がより刺激的だ。

とはいえロンドン公演の方も地味とはいえ決して悪くはない。要所要所で演奏のアップ映像があるので、『音楽』で細野さんがジュースの瓶を叩いていたりするのが分かる。クリスチャン・フェネスがどういう演奏をしていたのか、非常に興味のわくところだが、残念ながらあまり詳細には分からない。ロンドン公演は色んな音が鳴っていただけに残念だ。

ヒホンの方は高橋幸宏がかなりドラムを叩いたこともあり、より肉感的な印象を残す音だったが、映像でもそれはうまく表現されていると思う。CDの方では『Tokyo Town Pages』での細野さんのベースが思った以上に動いていて映像が楽しみだったが、それはヒホンの方で若干垣間見える。

それでもやっぱり09年WORLD HAPPINESSの演奏に勝るものはないだろう。あそこで新生YMOは次のフェーズに入ったと思っているので、このヨーロッパ公演はその前史となってしまったのは否めない。昨日の中目黒ラジオでも『盗聴エディ』に続けてかかっていたが、やっぱカッコ良かったよなあ。あの場にいれて本当に良かった。