ウーター・ヘメル『Hamel』

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07年にリリースされたオランダのボーカリストのデビュー盤を手にしたのはプロデューサーがベニー・シングスだから。これも高野寛経由での到着地点だ。当時はこれもJ-WAVE系で流行ったようだが、ダイアン・バーチ同様まったく知らなかった。でも、いいですよこれも。

基本的にジャズ・ボーカルのスタイルだが、若さに似合わずしっかりした歌を聴かせるのはダイアン・バーチと同じ。でもこちらもアレンジがしっかりしている。そこに登場するのがベニー・シングスだ。本人のソロは先日初めて聴いたが、宅録特有の若干の暗さと粘りっこいボーカルに多少の抵抗があった。でもこちらは透明感のある溌剌とした声で、しかも音がカッコいい。まさに彗星のように登場したルーキーといったところ。

 

もうセカンドも出ていて、こちらもチェック必須だが、それにしても知らないところで大型新人みたいのが頻出している。共通点は過去の音楽の良質な部分をきちんと踏まえて、かつ実力を伴って登場してくるところだ。ポストモダンな世の中なので、こうした情報は余り表に出てくることはないが、うっかりしていると見逃してしまう。今回は本当に高野寛に助けられた。twitterでの呟きすらも見逃せない。