ライ・クーダー『Chicken Skin Music』

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ライ・クーダーのアルバムは『Paradise And Lunch』しか持ってなかったが、『My Name Is Budy』が出た時にすこぶる評判が良かったのと、リトル・フィートヴァン・ダイク・パークスキャプテン・ビーフハートと、好きなアーティストとの関わりがあることで以前から気にはなっていた。76年リリースのこの作品は前述の『Paradise And Lunch』の次作にあたるが、最近そればかり聴いていたので、思い切ってこれも買ってみた。で、聴いたら最高!

 

1曲目からいきなりいいが、最近の細野晴臣を彷彿とさせるアメリカン・ミュージックの源流を探るようなとてもいい雰囲気の音楽だ。同じ1947年生まれで志向も似ているから似るのは必然かもしれないが、それでもこのアルバムには雰囲気以上の鋭さ、カッコ良さが内在している気がする。『ブルジョワ・ブルース』は異常にカッコいいし、『スタンド・バイ・ミー』のカバーも意外な良さがあった。

スライド・ギターがグイグイ押してくるが、なるほどリトル・フィートにも参加する訳だ。客演はストーンズが有名だが、それ以前に昨今はブエナ・ビスタの人、という感じがする。この辺りのルーツ・ミュージックの探求を地道に単独で長く行っている人は珍しいし、聴いていて心地良いばかりか切れ味の鋭さも感じさせるなんてのは奇跡的だ。ああ、また集めるアーティストが増えてしまった・・。