リトル・フィート『Sailin' Shoes』

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リトル・フィートの場合、次作の『ディキシー・チキン』からメンバーを拡充してファンキー度が増してからの方が絶頂期となっているので、この2ndや1stは前史として捉えられることが多いんですが、本作はやはりこのバンドの骨格となっている楽曲が収録された重要策と見るべきと感じます。

音は荒々しいですし、グルーヴも不足していますが、カントリー風味満載の雰囲気と、フランク・ザッパにバンド結成を薦められたきっかけとなった「Willin'」、ヴァン・ダイク・パークスが『ディスカヴァー・アメリカ』でカバーした「Sailin' Shoes」といった大切な楽曲が入っていますので、リトル・フィートの原点を見ることが出来ます。

このドカドカした音が次作であんなにもうねりを有したものに変化してしまう。それもたった1年で。それが信じ難いですが、後のライブでも演奏されたりアルバムで再演されたりと、幾度も振り返られる内容になっているところが本作の重要性を物語っています。後の萌芽が多く含まれる大切な作品です。