ライ・クーダー『Ry Cooder』

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ライ・クーダーの70年リリースの1stアルバム。1stだけは何故か手を出さずにいたんですが、先日バラカン・ビートか何かで本作収録の「Do Re Me」を聴いて、やっぱりいいなあと思って手に取ることにしました。

 

初作とは思えないほどの風格で、とてもいい作品でした。プロデュースはヴァン・ダイク・パークスなんですね。『ディスカバー・アメリカ』の頃のドカドカした感じの音がしていて、とてもいいです。時折ストリングスも入って立体的なカッコいい音になっています。

 

オーバー・プロデュース気味という評価もあるようですが、最近の諸作のような、魔法がかかったような、ヴァン・ダイクでいえば1stの『ソング・サイクル』のような目眩く世界といった感じではなくて、あくまで純粋さを保った音が鳴らされています。

 

後半はインストや弾き語りも多くて、ライ・クーダーのギターの演奏がたっぷりと楽しめます。その辺りも非常に良い演出ですし、全体的にも堂々とした、良い作品に仕上がっていると思います。これがファースト・アルバムだなんて信じられない。