この熱量。これに耐えるために体調を整えておくことが必要でした。
カーネーションの95年リリースのアルバムの再現ライブが先日行われましたが、Amazon限定でライブ盤としてパッケージされて登場しました。非常に盛り上がったという話はそこかしこから伝わってきましたが、実際物凄い作品となっています。
メンバーも一部を除いて当時のラインアップが集結し、当時の作品を力強く再現していますが、音がまったく古びていないのは奇跡的です。演奏も強力で、今新譜で出されてもまったく違和感のない作品に仕上がっています。懐古趣味には終わらない現役感。この当時のグルーヴはやはり特別でした。
実は『a Beautiful Day』自体は全面に渡ってポップな訳ではなくて、表題曲の「It's A Beautiful Day」が突出している感があるんですが、それでも全曲通してライブで再現するというのは手法的には昨今ありがちとはいえ、よくぞやってくれた、という感じです。元々直枝政広は過去作品のアーカイヴに関しては意識的にまとめてきた人ですので、海外アーティスト同様にこうしたイベントを仕掛けて来るのは予想の範疇内なのですが、それでもこの圧倒的な演奏力は他の追随を許さない。その時代を象徴するというより永遠性すら感じさせるクオリティを保っています。いいバンドですよ、本当に。
カーネーションはシングルのカップリング曲に名曲が多いんですが、ここでも「Party」をきっちりフォローしてくれたことは非常に嬉しい。かつここでの演奏も最高です。ラストは一作前の「Edo River」で締めてくれていますが、やはりここでのグルーヴも唯一無二のものです。このピーク状態が90年代はしばらく続いていたので、何とも幸せな時代だったと思います。でも何といってもこの再現率。それもこれだけの熱量を持って再提示するというのは物凄いことだと思います。メンバー復帰してまたこの絶頂期の音に回帰してくれたらもう言うことはないんですが、それは叶わぬ夢なんでしょうか。
好評につき追加公演もあるそうなので、是非意識がそのような方向に向いてくれることを切に願っています。