久々に出たパグウォッシュの新作。しばらく聴けずにいましたが、やっとターンテーブルに乗せました。
以前はアンディ・パートリッジのレーベルから作品を出していたこともありましたが、一時期仲違いしたようで、しばらく交流も途絶えていたようです。でもここ最近また関係が修復されて、この新作にもアンディがコーラスで参加しています。その曲には何とレイ・デイヴィスもコーラス参加していて、XTCとキンクスがこんな形で合体するとは夢にも思いませんでした。楽曲はお昼寝ソングのようなのどかな感じなんですが、それもまたキンクスの得意領域。そう考えるとビートルズから始まってキンクス、ELO、XTCと連なる流れを何とか途絶えさせないように奮闘しているとも捉えることができます。ジェフ・リンもちょい役で別の曲に参加しています。
ただ、こうした愛情たっぷりのレスポンスが作品のクオリティに直結しているかというとそこまでではありません。勿論ポップで良質なんですが、パグウォッシュは何というか突き抜け方が足りない。これはフォロワー層にありがちな傾向ではありますが、やはり直系の後継者としての立場に折角いるので、もっと凄みがあってもいいと思います。惜しいんだなあ、やっぱり。
XTCが成し遂げたような境地に達するにはやはり佇まいがマイナー過ぎるのか、王道ではなく脇道を行く運命なのか。趣味趣味音楽を越える一発が欲しい、そんなアーティストです。楽曲を聴く限り好調は維持しているので、是非活動を続けていってもらいたいと思います。貴重な立ち位置ですので。