「自分の中ではあっさりし過ぎている印象があって・・」と本作と前作についてご本人自身がコメントされていますが、本作のポイントは自分の中では高野寛作詞の「流れ星ひとつ」が入っていることです。トリビュートでの高野寛自身のカバーが非常に秀逸だったのでずっと気になっていましたが、正直カバーの方がアレンジがいいかな。
リリースは96年ですが、今聴いていると先日発売されたビートニクスの新作と言われても違和感がないような作りに聴こえます。これはきっと後期YMOでも垣間見られたようなAOR路線に双方がなっているんですね。この落ち着き、癒しが今の時代と20年前の時代とで直結している。まさにのっぺり続いて来た平成を象徴する現象なのかもしれません。時代の質感が変わらない。
安心して聴ける内容であると同時に、反復性が希薄になって行くような印象が否めない作品でもあるように自分も感じました。