トーマス・ドルビー『Aliens Ate My Buick』

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2nd以降のトーマス・ドルビーは表舞台に出ることも少なかったのでほとんどノー・チェックでやり過ごしてきました。本作がリリースされたのは88年ですが、その存在すら当時は知らなかったし、これが3rdアルバムだということも今回初めて知ったくらいです。

そんな感じのリスナーなので、2ndと3rdの間に何があったかもよく把握していませんでしたが、実際には坂本龍一との『Field Work』やジョニ・ミッチェル、プリファブ・スプラウトのプロデュースなどの仕事がこの間にはまっているんですね。折に触れ接してきた作品の裏にはこの時期のトーマス・ドルビーの影があった。ただ、時間的な位置づけができていなかっただけだと思います。

本作の出来はというと、それは非常にまともで、黒人音楽を体で吸収したインテリ、という佇まいはやはり同時期の坂本龍一のようです。ただ違うのは、コンセプトとして架空の映画のサウンドトラックのような体裁をとっていて、それがさほど成功していないという事実。妙なジャケットもその辺りを物語っていて、これが復活後の活動が空回りした一因なのではないかと推測します。音はとてもクリアで良い音。でもやはりちょっと地味ですね。