ジェイソン・フォークナー『Bliss Descending』

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04年リリースのep。2ndと3rdの間に出された作品ですが、恐らくはアルバムを出せなかった時期なのではないかと推測します。その後くるりの主催するレーベルから作品がリリースされていますので、余り売れなくてレコード会社が見つからなかったのではないかと。いい作品を作っているのに不遇なアーティストですね。

でも、スチャダラパーにしてもムーンライダーズにしても自分で会社を設立して作品をリリースする形態をとり始めていますし、海外に至ってはジョニ・ミッチェルポール・マッカートニーのようにスタバから新作を出すみたいな話になっていたりもしますので、最早レコード会社というビジネス自体が成り立たなくなって来ているのかもしれませんね。パッケージメディアが儲からないので、ビジネスとしてはデータ化できないライブを体験価値として提供して関連グッズで儲ける、あるいは作品のリリース形態を複数持たせて単価を上げる、といった最近の坂本龍一のリリースの仕方がひとつの参考例になるのかもしれません。

で、作品の方はというとやっぱり地味ですね。いい曲なんだけれどもパンチに欠ける。素材がいいだけに残念です。でもこの人もスルメみたいに噛めば噛む程効いてくるタイプのアーティストなので、聴き込むとまた違ってくるかもしれません。僅か22分の作品ですが、活動の経緯を追うには欠かせないepではないかと思います。