パール兄弟『未来はパール』

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パール兄弟の紙ジャケリマスターは見つけたら買うことにしていますが、こちらは86年リリースの1st。発売当時「江戸時代の恋人達」のPVを観た記憶がありますが、平坦な印象があって触手が伸びませんでした。

プロデュースは岡田徹ということで無難な音づくりがなされています。パール兄弟については頭でっかちで歌詞先行型のバンド、というイメージが定番化しているように思います。後期の構築型の音像よりも初期の音はもう少しラフな印象を残す音です。

86年というとムーンライダーズでいえば『Don't Trust Over 30』の頃ですのでもう少し構築型になってもよさそうなものですが、そこはそれ、新バンドのデビュー作ということと、ビジュアル面での江戸時代の打ち出し(意味不明)を考慮して少し隙間がある音になっています。

「バカヤロウは愛の言葉」というセンスの良いネーミングの代表曲が収録されています。こうした言葉で引っ張る力がサエキけんぞうにはありますね。流石「青空のマリー」や「焼きソバ老人」を作詞した人のことだけはあります。市川の歯科医じゃなかったっけ?歌詞に津田沼PARCOが出て来た時には親近感が湧いた記憶があります。Chiba Cityは『ニューロマンサー』の舞台でもありますので、退廃した湾岸に咲く徒花のように時代に記録を残していってくれています。