KIRINJI『KIRINJI 25th ANNIVERSARY LIVE』

KIRINJIの25周年ライブに行ってきました。KIRINJIを生で見るのはワールド・ハピネス以来ですので久しぶりです。単独ライブとしては初なので、ほぼ初体験といっていいでしょう。今回は25周年ということで、何かしらのイベントを期待して参加してみました。

 

結論から言うとゲストなどはなかったんですが、何と2部制にしたライブで、20分の休憩を挟んでたっぷりと演奏してくれました。とても満足です。前半がアコースティック・セット、後半がエレクトリック・セット、といった感じで楽器の構成が異なる演奏でした。

 

最初はまず堀込高樹さんの弾き語りから始まるんですが、徐々にメンバーが増えていくスタイルは最近再上映されたトーキング・ヘッズの『Stop Making Sense』を彷彿とさせます。この趣向もとても楽しいんですが、ウッド・ベースとグランド・ピアノが抜群の彩を添えている。特に小田朋美さんのピアノ演奏は極上で、しかもボーカルもとる、口笛も吹く、というマルチな活躍ぶりで楽曲のグレードが一段上がった感じがしました。

 

後半はシンリズムさんやホーン陣も加わった10人編成で豪華な演奏を聴かせてくれます。会場も非常に盛り上がっていました。気になったのは観客の反応で、今のKIRINJIというのはさながらパーティー・ミュージックのように捉えられているように感じました。楽曲の途中でもメンバーのソロパートが終わるとそれぞれ拍手が起こり、ボーカルパートでも盛り上がれば曲が終わらなくても歓声が入ってくる。この楽しみ方は意外でした。ここ最近のKIRINJIはダンス・チューンも多いですし、脱シティ・ポップ的なアプローチも目立ちますので、ファン層も変わってきているのかもしれません。

 

そんな中でも初期楽曲の「かどわかされて」や「イカロスの末裔」といった曲が演奏されると会場はヒートアップしていましたので、やはりみんな分かってるなあ、と思いながら楽しみました。高樹さんの人柄の感じられる、とても素敵な25周年ライブだったと思います。