ジョニ・ミッチェル『青春の光と影』

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69年リリースの2nd。初期のジョニ・ミッチェルは『ブルー』だけ押さえておけばいいかと思っていたが、本作収録の『Chelsea Morning』をJ-WAVEで耳にして、「やはり他も押さえねば」と思っていた。

 

でもまあ、この曲以外は静かな曲が多くて、若干地味なのは否めない。曲調もマイナーで暗め。後のグルーヴィーな感じは『Chelsea Morning』以外は左程お目にかかれない。それでも『The Gallery』なんかの透明感のある音像は印象に残るし、後々も歌われることになる『Both Sides Now』も入っている。この時期はフォーク色が強くて、後のジャジーな変化はなかなか想像できないが、ジョニ・ミッチェル自身も『コート・アンド・スパーク』が出る前までは田舎への隠遁を画策していたようだ。それが現在に至るまで演奏活動を続け、大物になっていく過程に様々な側面を見せるアーティストになっていくとは当時誰もが予想しなかっただろう。『Chelsea Morning』に見られるようなグルーヴィーさがなければそうならなかったんじゃないかな。単なるフォーク歌手にとどまっていたと思う。そこが凡百と異なるところだ。

でも『Both Sides Now』はやっぱりいい曲。