コーネリアス『Ethereal Essence』


コーネリアスの新譜がリリースされました。沢山作品が出るようになって大変嬉しいです。

 

昨今の録音物の中でアンビエントなものを集めた、とのことですが、アンビエントというには少し煌びやかなように思います。定義にもよるんでしょうが、むしろキラキラした音が多いような気がするし、それ以前のコーネリアスの点描法的な音の傾向も引き続き継続していて、端的に様々な時期の音源を集めたものにテーマ性を後付けで付与したようにも感じます。とはいえ最近の音はとても良い。

 

夢中夢』にもあった新しいポジティブで静かな音像は、夢のようでかつ煌めいている音でとても好きなんですが、一部の曲にもそのテイストが散りばめられています。「Heaven Is Waiting」なんかはとてもいいですね。

 

「サウナ好きすぎ」や「Forbidden Apple」なんかは配信で聴いていたので、ここでまとめて頂いてとても嬉しいですが、やはりここ最近の音の傾向が少しずつ夢の中のような音になってきているのが不気味で綺麗です。これをアンビエントと呼ぶのであれば、少しジャンルの傾向が変わってきている。20年代になって音数が増えてきている傾向が全体的な音楽の流れであるように思いますが、そこに覚醒するような音像が加わって来ているのは興味深いところです。

 

坂本龍一トリビュート盤に収録されていた「thatness and thereness」のカバーも収録されていてとても嬉しいです。この浮遊感がポイント。