最近コーネリアスのシングルに参加したことで密かにまた盛り上がりつつあるアート・リンゼイの2002年リリース作品を手にしました。
アンビシャス・ラヴァーズの『Greed』というアルバムに入っている「Copy Me」「Love Overlap」ばかり聴いていた時期があって、アート・リンゼイという人は本当にカッコいい人だなあ、と思っていたんですが、ソロ作品には手を出さずにここまで来てしまいました。理由は恐らくブラジル音楽に余り興味が湧かなかったからだと思います。
ジョアン・ドナートのお陰で、幸運なことに最近ブラジル音楽への扉が開きつつあるのと、コーネリアスの選曲で聴いたラジオのプレイリストからここに辿り着いた次第です。本当は『prize』というアルバムを探していたんですが、まずは店頭に在庫があったこちらの作品から聴いてみることにしました。
非常に内容はいいですね。アート・リンゼイの魅力はノイジーなギターとブラジル音楽のボサノヴァが同居しているところにあると思うんですが、そういった要素が入っていて、かつ打ち込みのビートによる鋭いリズム、理知的な音、適度に暗めでくぐもった音像、全てがバランスよく耳に届いてきます。
坂本龍一の音楽にやはり近いところがあって、その関連からこれまでも辿ってこれなくはなかったんですが、決め手はコーネリアスからだった。これはこの後掘っていくことにならざるを得ません。