97年リリースのテイ・トウワ別名プロジェクトの1st。このプロジェクトでは既に3作品がリリースされていますが、今回初めて手に取りました。
企画ものの色合いが濃いかと思っていましたが、この1stは結構ソロ作品のその後の方向性も示唆している内容となっています。テイ・トウワの作品は基本的に様々なゲストを招いて、そのコラボレーションの中で構築されているものなので、本作でも基本的なスタンスは変わりません。ただ、ソロ作品ではあくまでテイ・トウワのコントロール下においた手の届く範囲でのパッケージがなされているのに対して、こちらのプロジェクトではもう少し突き抜けた、自由な展開がなされているように感じました。
やはり貴重なのは、既にこの時点で砂原良徳とのタッグが組まれていることで、4曲目の「Lotus Snack and Thinking Machine」では90年代後半の砂原良徳の初期ソロ作品のラウンジ系の音が鳴っている。これはいいですね。その後、METAFIVEでバンドメンバーになってしまうことを当時誰が想像できたでしょうか。
バリのガムラン音楽が入っていますが、こうした振る舞いや様々な音楽が次々と登場する感覚は、スネークマンショーのアルバムに近いものを感じました。本作ではコントこそありませんが、スネークマンショーは元々ラジオ番組で鋭い選曲をキーに成り立っていたものですので、ここでの次々と畳み掛ける多彩な音源はひとつのプログラムに近い。だから最近の作品では芸人さんが参加したりしているんだな。
2枚組で2枚目は延々とバリの環境音が続くという大胆な構成になっています。