ジェームス・テイラー『Walking Man』

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これはいい!

74年リリースの本作はJTの数ある作品の中でも地味で埋もれてしまうタイトルのようですが、非常に楽曲もいいしアレンジもさりげなく凝っていて最高なんじゃないかなあ。メロディに対するコードのつけ方もとても洒落ていて、シンプルな曲でも豪華に聴こえます。中でも「Ain't No Song」なんかはゾクッとする程いい出来映えだと思います。

この前作が『One Man Dog』で、そこで一度セクションと切れている。かつトレードマークであるカントリー風味が凍結されている、相棒のピーター・アッシャーから離れている、ニューヨークサウンドとのマッチングが今ひとつよそよそしい、等々様々な注釈がついている作品のようですが、内容いいからいいんじゃないの?単純にそう思います。

ジェームス・テイラーという人は傑出した楽曲もない代わりに全体的なクオリティも決して落とさないという不思議なアーティストで、要するにどれ聴いても同じ、でも全部いい、という希有な魅力を持った人です。その全部いい中でも本作は「特にいい」のではないかと感じました。気のせいでしょうか。