メリー・ホプキン『Earth Song / Ocean Song』

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メリー・ホプキンの2作目はトニー・ヴィスコンティの全面プロデュースで普通に聴けるフォークアルバムになっています。果たしてそれ以上のものがあるかというとあまり無いように思いますが、やはりストリングスのアレンジが目立つ。その上で、ロイ・ウッドがアニー・ハスラムをプロデュースしたように、透明感のある「声」を活かした美しい作品に仕上がってはいます。でもそれ以上でも以下でもないかな。

ジェームス・テイラーもジャッキー・ロマックスもアップルを去って行きますが、メリー・ホプキンも本作を最後にアップルを去って行きます。何だったのかアップル・レコードというのは。きっと何でもなくて、単にビートルズのマネジメントをする会社の延長線上にあっただけなんでしょう。ブライアン・エプスタインが亡くなってしまいましたからね。

趣味で経営は続かないし、アーティストが引っ張るレーベルというのは往々にして理想を掲げで始まってフェードアウトしていく。主体がマネジメント側にあって、かつその人が音楽ファンであれば継続はするんでしょうが、恐らくはアップルには意志というものが欠落していたんでしょう。その後、淡々とビートルズ関連の権利を守っていくような会社として存続したのは当然の帰結なんだろうと思います。