青山陽一『Quarter Century of Odrelism (1990-2015)』

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青山陽一のベスト盤は過去に99年と05年にリリースされていますが、99年のベストはメトロトロン時代の総括、05年のベストはどちらかというとレアトラック集といった趣が強かったので、今回のようなレーベルを超えたオールタイムベストは初の試みとなります。それにしても25周年ですか。あっという間ですね。

とにかく全17曲で80分越え。かつ再録音盤との2枚組でトータルすると2時間近く収録されていて3000円という格安な価格設定ということで、相当に中身の濃い内容ですが、改めて全体を俯瞰してみるとやはりキーポイントは『Bug City』にあるかな、という感じがします。ラストも「難破船のセイラー」ですし。

冒頭が「ベッドが走る」というのは意表を突かれましたが、確かリスナーのツイートでこの曲を名曲として挙げていたことがありましたので、これは密かなピンポイントファンサービスなのではないかと察します。その後怒濤のように続く名曲群は、この人がいかに真摯に音楽に接して来たかを現すかのようで、聴いていて目眩がしてきました。とても良いベスト盤だと思います。

そしてその再録盤が強烈。1st1曲目「God Press You」の再演版は恐ろしい程の変貌を遂げていて、現在のBM'sの唯一無二なグルーヴがキャリア上の最高峰にあることを証明しています。こいつはカッコいい!新曲の「Freezer Bag」のグルーヴも凄いですが、とにかく演奏力が半端ではない。

基本、再録盤はジャジーなテイストでボーカルも若干しゃがれ気味になってきていて渋いことこの上ないですが、上記2曲で見せる強烈なグルーヴは最新型が最強版という事実を提示していて、四半世紀を経て更に更新されていく伝説を物語っています。このグルーヴはどこまで行くのか。