リトル・フィート『Time Loves A Hero』

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ローウェル・ジョージ実質不在の中制作された77年リリースの作品ですが、何気に良いアルバムです。勿論ローウェル作の「Rocket In My Pocket」は最高ですし、ピーター・バラカンもこればっかりラジオでかけていましたが、意外に「Red Streamliner」なんかもいい出来で、ローウェル以外のメンバーが頑張ったアルバムとして語られることが多い作品です。

この時期の特徴としてAORフュージョン風味が強く出て来ている傾向が強い訳ですが、何といっても演奏力が高いのでグルーヴが消えることがない。一歩間違うと泥臭さのなさが致命傷になるきらいがあって紙一重なんですが、ギリギリのところで成立している希有な現象が起きています。ある意味ここをリトル・フィートのラスト作と捉えることも可能ですが、聴きやすさという点からは『Down On The Farm』にも似た感覚があって、しかも演奏は超一流。これもリトル・フィートの一側面として捉えるべきなんじゃないでしょうか。結構自分は好きで折に触れて聴き返しています。