ラスト。2枚組の2枚目。ステレオラブのアルバム未収録曲はこんなにあったのか、と驚かされました。しかもどれもクオリティが高い。一貫したアンニュイな感覚と聴き手を突き放すようなインダストリアルな音。かつ人懐こいという離れ業を成し遂げる稀有なグループです。
ルーツにドイツのクラウトロック的なものがあるのは薄々感じてはいましたが、実際参加しているコンピレーションがそういったものだったりするのがそれを証明しています。しかも本盤は冒頭ブラジル音楽から始まってしまう。この振れ幅が素晴らしいし、どのテイストに持って行ってもステレオラブ印なところが凄いと思います。
こうして過去作品のリマスターが始まったということはステレオラブとしての新作は恐らく望めないのでしょう。それはそれで寂しいですが、一方できちんとアーカイヴを残してくれることには感謝したい。フランク・ザッパも大瀧詠一もそうだった。要は自分でやることが大事なんです。