06年にリリースされたYMOのラテン・カバー・アルバム。本人達も参加してテイ・トウワやマウス・オン・マーズも協力している。これは痛快。
選曲からして『Limbo』『Pure Jam』『The Madmen』『Music Plans』『音楽』と渋い。基本すべていいが、解釈が脳天を突かれるようでセンスの良さが爆発している。クラフトワークの時も思ったが、きっと天才。本人達がカバーを嘱望したのも頷ける仕上がり。凄いなあ、この人は。
YMOカバーではといぼっくすなんかも秀逸だが、こちらはパンチが違う。愛情が溢れ出ている上、いちいち音色が鋭い。『Rydeen』なんかのスローな解釈はこれで全編通せば細野トリビュートの『ハイスクール・ララバイ』に匹敵したことでしょう。
こうやって自分達の作品が愛情たっぷりにカバーされたことが、後の再結成に繋がっている側面もあるんじゃないだろうか。自信がつくもの。後進が別ベクトルで育っていることに微笑ましさと頼りがいを感じたのではないかと思う。『音楽』のカバーもうまいなあ。
