78年のこのライブ盤は2枚組としてリリースされた『バック・トゥ・ザ・バーズ』と双璧をなすもので、ツアーの好評を受けて行われたユートピアのライブを収録したものです。今回改めて『バック・トゥ・ザ・バーズ』を聴き直してみましたが、非常に演奏に勢いがあってやっぱりいいんですね。本作でもその勢いは継続されていて、とても充実した演奏となっています。
やっぱり『Love of The Common Man』と『Couldn't I Just Tell You』がこの時期の演奏の良さを象徴していると思うんですが、本作にはトッド名義の『バック～』と異なり、ユートピアのレパートリーも多く収録されています。ラストが『Just One Victory』というのも定番で泣かせてくれる。
時期的には『Harmit of Mink Hollow』と『Oops1 Wrong Planet』の後ということで、その頃の楽曲も多く演奏されます。プログレ志向から王道ポップスへの移行期ですので、曲もコンパクト、かつその前の時期に培った壮大な演奏の片鱗も匂わせつつ、一気にステージが進んでいきます。
音質はPA経由ということで。まるでスタジオライブのような安定した感触です。この位ないとやはりライブ盤はきついですね。それにしてもほぼ毎年届けられるトッドのアーカイヴシリーズですが、一体どの位ストックがあるんでしょうか。何度も言っていますが、一連のCD再発時の88年に行われたソロ音源を是非リリースしてもらいたいものです。来日公演の感動が忘れられません。良かったんだ、弾き語りが。
