ライ・クーダー『Borderline』

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ライ・クーダーの渋さに気付いたのは大分後になってからのことですが、きちんとオリジナルアルバムを聴いていって残すは最新作と1stくらいになりつつあります。各国のルーツミュージックに挑んで、その融合の美しさ、今回でいえば国境での文化の混ざり具合に思いを馳せるといったスタンスは、今の保護主義まっしぐらの風潮とは真逆の考え方でしょう。

基本的にカバー曲中心で、アレンジで聴かせるやり方はある意味細野晴臣の30年先を行っているともいえます。細野晴臣もエキゾチック路線を普通に突き詰めていったら実は同じような路線の音楽を80年代にやっていたかもしれない。しかしテクノロジーがそれを許さなかった。運命というのは面白いものです。

渋過ぎて何度も聴くような音楽にはならないような気がしますが、聴いていてとても快適な気分にさせてくれる作品でした。本当にどれを聴いてもバッチリな人です。