カーティス・メイフィールド『Never Say You Can't Survive』

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カーティスのミッシング・リンクもまだ沢山あって、未だに機を見ては物色しているんですが、こちらは77年リリースの作品。とてもメロウで、地味ながらも温かく、聴いていて心地の良い佳作です。

 

どの曲もアレンジのバランスが良くて、何より前向きで明るい雰囲気なのがいい。カーティスの場合、メッセージ性が強くて、聴いていると暗い気持ちになる作品も多いんですが、この作品はそんなことは全編に渡ってなくて、どれも幸せな気分になる雰囲気が漂っています。

 

アメリカ・トゥデイ』から2年後の作品ということもあり、成熟の極みを見せていますが、決して凡庸ではなく、とても抑制されたソウルが発信されている。時代的には新しさはなかったのかもしれませんが、きっとそういうことではない。この落ち着きが与える価値は何者にも変えがたいものがあると思います。