『KIRINJI LIVE 2020 Live at NHK Hall』


2020年の年末に行われたKIRINJIバンド体制最後のライブ映像。ここでのKIRINJIの姿は既に現在の堀込高樹ソロ・プロジェクトを予感させるものがあります。

 

コトリンゴに続いて田村玄一も脱退してしまって、バンドメンバーとしては4人体制。勿論ライブではサポート・メンバーも入って演奏されますが、こうなって来るともうバンドとしてのアイデンティティを保つのは難しい。しかしながら既に『cherish』あたりの作品では内容的に堀込高樹のソロのような趣も強かったので、バンド体制の終焉は必然だったようにも思います。

 

ひとつ気づいたことがあります。25周年のライブに参加して、曲の途中やソロパートの終了時に観客から歓声が上がることに違和感を覚えたんですが、この2020年のライブでの弓木英梨乃のギターソロを観て、「ああ、これはバンド体制で各メンバーの演奏が際立っていたからこその現象なんだ」と合点がいきました。

 

華を持たせる、というより演奏力が各々突出しているので、ソロパートの完成度が高くて、観客もその演奏に反応する。その残り香がまだあるんだな、という風に理解しました。

 

2020年の12月というと既にコロナも絶好調だったと思いますが、よく見ると客席の観客との間に空席がある。恐らくは入場制限をしていたのだと推測しますが、よくぞ記録を残してくれました。

 

25周年を迎えてKIRINJIもひとつのフォーマットとなった。今後も形態を変えながら続いていくんだと思います。KIRINJIの歴史は現時点で振り返ってみても紆余曲折があって面白い。そしてこれからもきっと興味深い活動を淡々と続けてくれるものと期待しています。