ジョアン・ドナート&ドナチーニョ『Sintetizamor』


ジョアン・ドナートが息子と二人で制作した作品。ここ最近聴くことが少なくなったシンセ・ポップ、というよりも80年代ファンク、エレ・ポップ、というテイストをまぶした作品ですが、ベースはブラジル音楽で、かつ70年代のエレピのグルーヴがバックに隠れている、という二重にも三重にも捻くれた作品です。

 

そもそもこの時点でジョアン・ドナートが80代ということで、もうそれだけで凄いんですが、音楽がブリブリのシンセ・ポップで、かつPファンクやザップみたいなファンク要素も前面に出ているというのが凄い。更にこの作品のリリースが2017年、というのも尋常ではありません。

 

従って、現在からするとレトロ・フューチャーのような趣になるんですが、更にその背後には70年代のグルーヴが隠れていて、ジョアン・ドナートがボーカルをとる楽曲では過去作品の現代的解釈もなされている。21世紀から80年代に遡って、更に70年代までタイム・スリップするような作品で、とても楽しく聴くことができます。

 

冒頭のシンセ・ポップのまま突っ走るのかと思いきや、2曲目の「スーヘアル」での複雑で浮遊感のあるコード感を聴かされて、「やはり手にとって良かった」と思わされました。その後も様々な展開が目まぐるしく続いていくので、非常に楽しめる作品です。