
小西康陽監修の細野晴臣トリビュート・アルバムがリリースされました。ちょっと迷っていたら方々で在庫がなくなってきたので慌てて手に取りました。これはいいアルバム。
基本的に弾き語りのカバー集ですが、細野晴臣自身のライブ音源も収録されていて、それらが交互に出てきたりする構成も楽しい。小西康陽自身による「風来坊」のカバーに続いてスカート澤部渡の「東京Shyness Boy」が痛快にかっ飛ばし、間髪入れずに細野晴臣のMCから「香港ブルース」のライブ音源に繋げるテクニックは、その切り込み方も含めてお見事。さらにその後にカーネーションの直枝政広による「夏なんです」が始まる。この辺りは前半のハイライトです。
「終りの季節」のMCでは細野晴臣と小西康陽のやりとりが長めに収録されていて、この曲のルーツが清里にあることが明かされます。このエピソードも貴重である上に、MCの雰囲気が何とも言えず素晴らしい。一緒にコーヒーハウスにいるような気分にさせてくれる極上の時間です。最後は「恋は桃色」まで披露してくれて、ラストは未発表曲「愛の夢」のデモバージョンで幕を閉じます。
これは単なるトリビュートではない。モナレコーズでのライブを中心にした小西康陽と細野晴臣の時空を超えた対談で、かつ晩年の総括でもある。これがひっそりと2025年の年末に差し出されたことはとても感謝したい出来事です。