コーネリアス『Sensuous Synchronized Show』

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昨年見に行ったコーネリアスのライブがDVD化された。予想通りTV映像の編集パフォーマンスはカットされていたが、それを差し引いても充実の内容。当たり前だが今回の肝は「シンクロナイゼーション(同期)」にある。

1枚目は東京国際フォーラムのライブ映像だが、2枚目は各局で放送された「中目黒テレビ」の映像。やはりNHKの番組の方がドキュメンタリーとして面白い。ワールド・ツアーのドキュメンタリーとなっている。LAに行った時にウォルト・ディズニー・ホールは観光で行ってきたが、そこへの招聘のコメントが興味深い。かつてYMOが日本のコンテンツの輸出を一身に背負って海外進出していったのと同様、コーネリアスは映像という共通言語を使ってシンクロナイゼーションというコンテンツを輸出している訳だ。日本の製品が技術面で世界に評価された後にソフト面の進出が続く。それは何もアニメに限らず、こうした映像と演奏の同期をショウとして見せることでも可能だということだ。これはなかなか技術的に興味のある事象だ。

以前書いたように、オープニングの幕が降りる演出はビートルズの『LOVE』にも通じるものがあるが、その後の音と映像とライティングのシンクロするステージングは新規性という意味では他に一歩譲るものの、コンサートとして非常に完成度の高いものであり、かつ音のシンプルさと全体の成熟度で観客に感動を与えている。

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実際のライブではオープニングに加えて『Eyes』から『E』への流れが絶妙だった。

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当日KORGか何かが楽器を会場で販売していたが、こうした機材やテルミンなどを駆使して見せるトータルでの格好良さが、クールな物腰で気負わずに行われている点に非常に共感を覚える。パブリック・プレッシャーがあったのは80年代のことで、今は普通に海外に出て行ってこうした活動ができることに感慨を覚えずにはいられない。時代は変わったよなあ。

技術も世界共通言語なので、とりあえずそちらの方で頑張ってみるとしよう。と思わせる映像集だった。傑作!