フランク・ザッパ『Eat That Question』

f:id:tyunne:20181105201526j:plain

ザッパのドキュメンタリー作品が届きました。なかなか見応えたっぷり。各年代のインタビュー映像や特典映像でのバンドメンバーのインタビュー等、特典まで含めると収録時間は異様に長い。でもこんなもんかな。

特に母国アメリカへの痛烈な批判が目につきます。たかだか200年の歴史の国に偉そうなことは言えないし、他国の何千年という時間に育まれた文化に対して敬意を払わない振る舞いには激しく警鐘を鳴らしています。本当に自覚的な人だったんだな、とその表情を見る度に思い知らされますが、大方の人はこうしたはっきりした意見を述べる人にはフリーライドで臨むかあからさまに拒否反応を示して封じ込めようとする。それに対してすこぶる冷静でいられるところは本当に凄いと思います。

言われて更に発言が極端に加速してしまうこともあるだろうし、ジョークでかわしきれない局面も恐らくあったんだと思います。きっと対処にも疲れたことでしょう。これはジョン・レノンボブ・ディランにも言えますが、本当によく耐えて、よくぞ生き残った。でもジョンやザッパは短命か。。

音楽の特異性は語られる機会も多いですし、存命中はきっとその発言自体が物議を醸していたんだと思いますが、それを貫きつつ音楽ビジネスとして持続性を保ったまま駆け抜けたところも尊敬に値します。偉大であると同時に戦ったパワーが凄い。精神的消耗も激しかったからこそ短命だったのかもしれないな。そんな風に感じました。