大貫妙子『Grey Skies』

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76年リリースの1st。07年の紙ジャケリマスター。ずっと探していたが、マイミクさんのおかげで掘り出し物を見つけました。

とにかくティン・パン・アレー系のスタッフが全面的にバックアップしているので、その辺りを言い出すと切りがない。シュガーベイブで演奏されていた曲もあるし、既に坂本龍一がアレンジを始めている曲もある。ただ基本的に佇まいは静かだ。透明感とよく言われるが、それは声に引っ張られての話。演奏はタイトだ。

『午后の休息』で控えめに鳴るストリングスは坂本龍一のアレンジ。これも荘厳なものではなく、あくまでさりげない。このくらいが丁度いいんだよなあ。『愛は幻』はシュガーベイブのボーナストラックに収録されていたな。この辺はそのためアレンジが山下達郎となる。

『WANDER LUST』は何で知ってるんだろう。と思ったらオムニバスの『キャラメル・パパ』に収録されてました。『街』のリズムはいいなと思ったら細野晴臣アレンジだった。もうこの辺は体に音が染み付いてるな。すぐ反応してしまう。B面の方がモダンで気持ちがいいアレンジが多いように思うのは坂本龍一の比率が高いからか。『いつでも、そばに』もいいですね。『When I Met The Grey Sky』が異色に響くのは矢野誠アレンジだからだろう。ちょっとこの中では浮いてるかな。ラストのインストは大貫妙子というより坂本龍一の作品といった方が自然。

ボーナストラックのシングル曲『明日から、ドラマ』がその後の大貫妙子に一番近いような印象を抱く。何故かというと単に曲調がマイナーだからだろうな。アレンジは松任谷正隆。一瞬荒井由美が頭をかすめる。

ジョニ・ミッチェルが大好きで、皆でピーター・ゴールウェイを聴きながら作ったという雰囲気をそのままパッケージしたような爽やかなアルバム。先日の『SUNSHOWER』と合わせて初夏の頃にでも聴きたい作品だ。今夜も外は寒い・・。